普段のこの Blog の主題とは全く関係ない話なのですが、たまにはいいかなということで。
さて、国立競技場 (正式には 「国立霞ヶ丘陸上競技場」 らしいですけども) は私もサッカー好きだったりする関係上、色々と思い出深い競技場なのですが、2020 年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックに向けて新国立競技場へと建て替えられるべく、現在は閉鎖されています。
で、その閉鎖に伴い、国立競技場の座席などをはじめとしたメモリアルグッズが一般に販売されているんですよね。
- SAYONARA 国立競技場 FINAL "FOR THE FUTURE" MEMORIAL GOODS : チケットぴあ
- 国立競技場の「遺産」、岩手へ出発 6500席、継承へ : 朝日新聞デジタル (一部は他の競技場へ移設もされたそうです)
私はこの企画が始まった当初に早速、指定席と自由席を 1つずつ注文しといたんですが、その手に入れた指定席と自由席をただ飾っても面白くないから、普段使いできるスツールにしてみようということで、パーツを集めて作ってみました。
ちなみに、一部、すでに品切れの商品はあるものの、数に余裕のあるものに関しては 9月 30日まで販売は行われていますし、自由席と指定席は結構残ってるみたいですので、この記事を読んで、「私も国立競技場の座席でスツール作りたい」 と思い立った人 (いるのかそんな人......) も、まだ間に合いますよ。
無事に届いた国立競技場の座席
私が注文したのは 5月ですが、7月ごろ先に自由席が、少し遅れて指定席が、それぞれ宅配便で送られてきました。状態のよいものを選んでくれているみたいで、座面はとっても綺麗。裏側は少し汚れがありますが、気になるほどではありませんでした。もちろん、壊れたりもしていません。
上が自由席で、下が指定席です。どの辺の座席かは座席番号からだけではわかりませんが、もしかしたら自分が過去に座った椅子もあるかもしれません。
ちなみに、商品には 「証明書兼記念プレート (日本スポーツ振興センター 河野理事長直筆サイン入り)」 が付いてきます。
スツールの脚パーツを探す旅
座席が届いたら、スツールに改造するってことは、注文するときから決めてたんですけども、実際に脚のパーツをどうするかは座席が届いてから考え始めました。座席の雰囲気に合うのじゃないと駄目だし......
で、自作スツールのパーツを売っているお店とか、色々と探してみたんですがどうもしっくりくるものがなく、気がつけば座席が届いてから 1ヶ月近くが経ってしまいましたが、そういえば今は使ってない Dulton (ダルトン) 社の 「Stool Clipper 2」 が倉庫にあるじゃんと思って引っ張り出してきてみたら、これが座席の雰囲気とピッタリということで、こいつの脚を使わせてもらうことにしました。
私が持っていたのは 「アイボリー」 カラーのものだったので、これを指定席に使うことにして、自由席用には 「ロウ」 フィニッシュっていう、素材の味を活かした感じのカラーをもう 1 台買い足して (上のリンク先のお店が安かった)、合わせることにしました。
まぁダルトン製品のファンの人には怒られそうですけども、元々の座面は取っ払ってしまって、そこに今回購入した国立競技場の座席が合うかをまずはフィッティングしてみます。
自由席も指定席も、座席裏面のボルト穴の配置は同じで、下の写真のような感じになっています。
一方の脚パーツとなる、ダルトン社スツールの座面取り付け金具は下のような感じ。
両方をとりあえず合わせてみると、下の写真の感じになりました。
もちろん、脚パーツ側の金具と座席裏側のボルト穴の位置が全く異なるので、そのままでは取り付けできませんが、座席の裏側は平らなので、接続プレートがあれば何とかなりそう。
接続プレート、売っていなければ作ればいいじゃない
さて、接続プレートはどうするか? もちろん、市販品などがあるわけない。
なければ作ればいいじゃないってことで自作を考えますが、金属でパーツを作ろうとするとさすがに個人では難しい。だからといって家庭でも比較的加工しやすいプラスチック素材や木材だと強度の問題や、見た目がダサい感じになりそう。
じゃあ、プロに頼んで金属で作ってもらおうということで探してみたら見つけたのが 「日本プレート精工 (NPS)」 さん。ステンレスやアルミといった金属加工製品を個人でも 1点からオーダーメイド対応してくれる会社さんです。
しかも、ありがたいことに製作依頼時は、細かい図面を自分で書かなくても、精度が必要な部分の寸法と大体の形状、必要な強度 (○キロくらいの重さがかかるよみたいな) を伝えれば、あちらで強度等を考慮した上で素材の選定や、図面まで引いてくれます (上の写真は実際に先方に引いてもらった図面を印刷したものです)。
今回は座席の裏になって見えなくなる部分だしということで相談した結果、鉄を素材に、艶消し黒塗装で仕上げてもらうことになりました。また、図面を引いてもらった後で、ちょっと寸法を調整してもらったりもしましたが、その辺も素早く対応してくれてありがたい。
ちなみに今回、私が発注した際の場合の流れとしては、まずは見積もり依頼フォームから作りたいパーツの概要や参考になる写真などを送ると、素材の提案や、それで製作した場合の見積もりがくるので、問題なければ正式に発注してお支払い。図面が送られてきたら確認して、確定したらあとはパーツができあがって発送されるのを待つだけ。
もちろん、自分で図面を引ける人なら最初から図面を送ってやりとりすればよいと思います。
今回は同じものを 2点同時に注文しましたが、時期的にお盆休みをはさんだことや、図面の微調整を 2回くらいお願いしてしまった割には、最初の見積もり依頼から到着まで 2週間と少しだったので、結構早いと思います。急いでますって言えばお急ぎ対応もしてくれるらしい。
ということで、届いたプレートが下の写真。さすがプロの仕事。精度も仕上げも完璧でした。
国立競技場の座席がスツールとして再生
パーツがそろったので早速組み立ててみます。
まずは、スツールの脚パーツにオーダーメイドした接続プレートを取り付けます。使うのは M6-20 規格の皿ネジに六角ナットの組み合わせ。平ワッシャーと緩み防止のスプリングワッシャーも使用します。素材はすべてステンレス。
ナット側は、ナットが丸見えなのはかっこわるいので、樹脂製のナットカバーを取り付けます。
次に、座席と脚パーツを接続します。仮置きすると下のような感じですね。
ボルトを取り付ける前に、座席と接続プレートの間にシリコン製のワッシャーをはさんでクッションとします。座席裏側に直で金具が当たるのを防ぐため。
最後にボルトで座席に脚を固定します。座席側のボルト穴にはネジ山が切ってありますので、M6-20 規格の六角穴付ボルト (キャップボルト) を使って固定します。ここでも平ワッシャーとスプリングワッシャーを併用。
きちんと取り付けられたことが確認できたら完成です。
上が 「ロウ」 フィニッシュの 「Stool Clipper 2」 と組み合わせた 「国立競技場 自由席バージョン スツール」。
下は、「アイボリー」 カラーの 「Stool Clipper 2」 と組み合わせた 「国立競技場 指定席バージョン スツール」 です。
ヴィンテージ & レトロ感漂うスツールの脚と、これまたいい具合に使い込まれた国立競技場の座席がマッチして結構お気に入り。
付属してきた証明書兼記念プレートとあわせて写真を撮ってみましたが、売り物って言われても違和感ないんじゃないですかね (自画自賛)。
ということで、我が家で第二の人生をスタートさせた国立競技場の座席さんは、今日も元気に働いております。