Firefox 40 のリリースからちょっと時間経っちゃってるんですが(現在 Firefox 40.0.2 が提供されています)...... Firefox の最新版、Firefox 40 が正式リリースされ、自動更新も提供開始されました。Android 版も同時公開。
text-decoration-color プロパティなどからベンダプレフィックス付きのサポートが削除
今回、HTML、CSS 関連だとそれ程大きな変更はなかったんですが、text-decoration-color
、text-decoration-line
、text-decoration-style
の各プロパティからベンダプレフィックス付きの記述に対するサポートが削除されました (Fix 36 以降はベンダプレフィックスなしの記述に対応していて、ベンダプレフィックス付きの記述と併用できましたが、Fix 40 以降はベンダプレフィックス付きの記述は無視されます)。
ベンダプレフィックス付きの記述のみするといった間違った運用さえされていなければ問題はありませんから特に気にする必要はないとは思いますが。
元々、CSS2 / 2.1 では text-decoration
プロパティが存在していて、これは多分使ったことない人はいないくらい使用頻度の高いプロパティだと思いますが、CSS3 では、この text-decoration
プロパティはショートハンドプロパティに昇格 (?) して、新たに text-decoration-color
、text-decoration-line
、text-decoration-style
の各プロパティが策定されています。
折角なので各プロパティについて簡単に触れておきます。
text-decoration-color
text-decoration-color
は text-decoration-line
プロパティでで指定された下線や上線、あるいは打ち消し線の色を指定します。下記のような感じですね。初期値は currentColor
になります。
.example { text-decoration-line: underline; text-decoration-color: red; }
詳しくは下記。
text-decoration-line
text-decoration-line
は引かれる装飾線の種類を指定します。
例えば下記のような値が指定できます。元々は text-decoration
プロパティで指定していたものですが、CSS3 では text-decoration-line
でも指定できます。none
、underline
はよく使っているので馴染みがあると思いますけども。
none
: 線無しunderline
: 下線overline
: 上線line-through
: 打ち消し線blink
: 点滅線(非推奨 / Firefox では点滅しない。CSS Animations 使え)
実際の指定としては下記のような感じ。CSS2 / 2.1 における text-decoration
プロパティ同様に、複数の値も指定可能。
.example { text-decoration-line: underline overline; text-decoration-color: red; }
こちらも詳しくは下記に仕様書があります。
text-decoration-style
装飾線のスタイルを指定します。例えば実線とか点線とかですね。具体的には下記のような指定になります。
.example { text-decoration-line: underline overline; text-decoration-color: red; text-decoration-style: wavy; }
指定できる値は下記の通り。
solid
: 一重の実線double
: 二重の実線dotted
: 点線dashed
: 破線wavy
: 波線
こちらも仕様書は下記。
ということで、これらプロパティを組み合わせることで、かなり細かく装飾線のスタイルを指定できるようになっているのがわかります。
ちなみに、ショートハンドプロパティになった text-decoration
プロパティを使用する場合は、下記のような感じになりますね。
.example { text-decoration: underline overline red wavy; }
Windows 10 に対応
だそうです。
認証ダイアログに関する挙動を改善
Firefox 40 では配信元が異なるリソースからベーシック認証ダイアログを表示することができなくなりました。これはセキュリティ的な改善です。
これまでは攻撃対象のサイトに外部から認証が必要なリソースを埋め込むことでベーシック認証ダイアログを表示させ、そこにユーザーが誤って本家サイトの認証情報を入力してしまうことで、外部から認証情報を盗むことに悪用できてしまう問題がありましたが、Firefox 40 以降は、同一オリジンからの認証のみベーシック認証ダイアログを表示できるようになっています。
署名されていないアドオンに対する警告
Firefox 40 以降は Mozilla によって署名されていないアドオンに対して警告が表示されるようになっています。Firefox アドオン公式サイト (AMO) で配布されているアドオンについてはすべて署名済みなので問題ありませんが、自サイトから独自にインストールさせているアドオンについては、署名がされてないと警告が表示されるようになりました。
Firefox 40 では、まだ警告が表示されるのみで、アドオンが強制的に無効になったりはしませんが、次期リリース版となる Firefox 41 では署名がなかった場合、強制的に無効化されますので注意が必要です。
詳しくは下記に公式なリリースがありますが、
前述したとおり、AMO 経由で配布される分には何ら問題なし。何らかの理由で自サイトから配信したい場合も、AMO アカウントを作成 → アドオンを登録してレビューを受け、署名された XPI ファイルを入手した上でそれを配布という手順が必要になります。
ちなみに、Firefox 側からアドオン署名を要求しないというオプションは一切提供されないとのこと。正式リリース版の Firefox で署名なしアドオンを何とかして使おうという場合は、「管理者によるアドオンのインストール手順」 に従って distribution/bundles 以下にぶっ込むという手が残されていますが、将来的にはこれ、できなくなるそうですから、余程特別な理由がない限りはあまり今回の対策を回避して使おうとはしない方がよさげ。
この辺については下記、outsider reflex さんが詳しいので参考まで。
その他、セキュリティアップデート
緊急 4 項目を含む、計 14 項目のセキュリティアップデートが行われています。Firefox 39 で行われたセキュリティアップデートについて詳しくは下記のページを参照してください。