Microsoft Edge が 「Chromium」 ベースに移行すると発表された件

Microsoft は同社が開発する Web ブラウザ 「Microsoft Edge」 について、独自レンダリングエンジンである 「EdgeHTML」 をやめ、Google Chrome などが採用する 「Blink」 に切り替えるなど、「Chromium」 ベースの開発へと移行する計画を発表しました。

現地時間の 12月6日、日本だと 12月7日に Microsoft は同社が開発する Web ブラウザ 「Microsoft Edge」 を、Google Chrome、Opera などが採用する 「Chromium」 ベースへと移行する計画を発表しました。

これにより、現状 Edge で採用されている Microsoft 独自開発のレンダリングエンジン 「EdgeHTML」、および JavaScript エンジン「Chakra」 は 「Blink」 + 「V8」 へと変更されることになります (正確には Chakra についてはあまり詳しく触れられていないのですが、Chromium ベースに移行して JavaScript エンジンだけ Chakra というのは現実的ではないので V8 に移行されるものと思われます)。

なお、Chromium ベースの Microsoft Edge は、Windows 10 だけでなく、Windows 7、8 を含め、サポート対象となっている全バージョンの Windows、および macOS など、他のデスクトッププラットフォーム向けにもリリースされるとのこと。

この正式発表の前日だったと思いますが、Windows 関連の情報メディア、Windows Central で Microsoft が Windows 10 用に Chromium ベースのブラウザを開発するという話題を取り上げていて、Twitter の方では 「これが事実だったらあんまうれしくないな」 的なツイートをして他のですが、その数日後に Microsoft から正式な発表がされるに至りました。

で、このニュースに対する反応は、ポジティブ、ネガティブ、両方があると思いますが、私が Twitter でフォローしていたりする方達の印象ではネガティブな方が多かったように感じます。私も前述したとおり、このニュースに初めて触れた時はネガティブに捉えました。Microsoft さんほどの巨大企業でも、独自のレンダリングエンジンを開発してメンテし続けるのは難しいんだなという現実に、まぁそうですよね、ビジネスですもんねという寂しい気持ちはありつつも、なんでやめちまうんだなどと言える立場であるわけもなく、粛々と受け止めていくしかないのかなと思っております。

本件に関するお気持ち表明はすでに色々な方々がされていますし、今さら私なんぞが書くこともないので下記にいくつか挙げておきます。

無駄に長く Web 関連を趣味、かつお仕事とさせていただいて、所謂、第一次、第二次ブラウザ戦争を経験した身としては、独自仕様の追求によるブラウザ同士の淘汰合戦を経て、当時としては英雄的に迎えられた Internet Explorer 6.0 による Web の支配とその後の停滞という、単独の実装が Web を支配してしまうことの弊害を嫌というほど経験しましたし、その後の 「The Web Standards Project(WaSP)」 を中心とした Web 標準重視への流れが、Firefox や Chrome の誕生へとつながり、ブラウザ (レンダリングエンジン) 選択の自由と、Web 標準に則って開発を行うことで、特定のソフトウェアやベンダーにロックインされない Web が現実的になってきたときの開放感(?)も覚えているわけですが、時代が流れて、単独の実装が再び Web を (ほぼ) 支配してしまう状況が近づいたという点でどうしてもポジティブには受け止められないというのが個人的にはあります。

もちろん、実装が減ることで Web 開発者の手間が減ることはあると思いますし、現状における Edge のシェアを考えればそれが独自エンジンでなくなったところで大した影響はないんだし何をそんなにネガティブに捉える必要があるの? という考えも否定はしません。本件で諸手を挙げて喜んでいる人を別に間違っているとも思いませんし、悲しんでいる人の方が思慮深いだの崇高だのいう気も毛頭ありませんから、それぞれの立場で喜んだり悲しんだり勝手にすればよいとは思いますけども。

同じ規格品で構成されたシステムはどこかに致命的な欠陥を持つことになる。組織も人も特殊化の果てにあるのは緩やかな死。

映画 『Ghost In The Shell / 攻殻機動隊』 より

願わくは Microsoft が Chromium の開発に積極的に加わることで、より健全な方向での発展が加速されてくれることを。

参考リンク