Microsoft が Internet Explorer (以下、IE) のサポートポリシー変更を公式に発表し、「古い IE のサポートは 2016年 1月 12日 (米国時間) まで」 としたのは、2014年の 8月 (下記リンク参照) でした。その時はまだ 1年半もあるじゃねーかと思ったものですが、早いものでその期日があと数日まで迫っています。
Microsoft 社のサイトには、下記の特設ページが用意され、そこで案内がされています。新しいサポートポリシーの適用は、米国時間の 1月12日ですので、日本でいうと 13日ということになりますが、どっちにしろあと数日しかありません。
「古い IE のサポートが打ち切られる」 とは?
新しいサポートポリシーの中で言われている 「古い IE」 の定義は、「サポート期間中の各 Windows OS にインストール可能な IE のうち、最新版以外のバージョンの IE」 ということになります。要するに現在使ってる Windows で利用可能な最新の IE 以外はサポートを打ち切りますよということ。
IE 全体で言えば、最新版は IE11 になりますが、残念ながら IE11 は、全 Windows OS にインストールできるわけではありません。
古い Windows OS では、インストールできる IE の最新バージョンに制限がありますので、IE11 がインストール可能な Windows のバージョンを使っている場合には IE11 をインストール、それ以外の Windows の場合は、インストール可能な最も新しい IE を入れましょうという話になります。
サポートが打ち切られた IE は、セキュリティアップデート等が一切提供されなくなります。具体的には Microsoft 社のサイトにある下記の記述の通り。
サポートが終了すると、セキュリティ更新プログラム、セキュリティ以外の修正プログラム、無料または有料のサポート オプション、またはオンライン テクニカル コンテンツの更新は提供されなくなります。
例えば、サポート終了以降に発見された脆弱性に対しても、マイクロソフトから新規にセキュリティ更新プログラムや修正プログラムが提供されることはありません。攻撃者はこのような脆弱性につけ込むことにより、サポート終了後の製品を利用し続けるユーザーに対して優位に立つことになります。
また、脆弱性に対処するセキュリティ更新プログラムが提供されないため、実質的に「ゼロデイ」攻撃の危機に永久にさらされることになります。
セキュリティ的に問題があるソフトウェアを使用し続けることは、自身の大切なデータや財産が危険に晒されるだけでなく、それを踏み台にして他の人にも迷惑をかける可能性がありますので、速やかなアップデートが必要です。
現在サポート期間中の Windows OS 及び、各 Windows ごとの最新 IE まとめ
ということで、下記にわかりやすいようにまとめてみました。
この一覧にない OS、例えば Windows XP などは、そもそも OS 自体のサポート期間が終わっていますので (2014年4月8日に延長サポート終了)、当然ながら対象外です。もう使うのやめましょうね。その他、Windows Embedded のような組み込み用 OS も当然ここでは対象に入れていません。
なお、表内の Windows バージョンのリンク先は、それぞれ Microsoft 社のプロダクトサポートライフサイクルのページです。より細かいサポート期間の情報はそちらをご参照ください。
サポート期間中の Windows OS | Windows OS の延長サポート終了日 | サポートが受けられる IE のバージョン | 備考 |
---|---|---|---|
Windows 10 | 2025年10月14日 | IE11 | メインストリームサポートの終了日は 2020年10月13日 / 標準ブラウザは Edge |
Windows 8.1 | 2023年1月10日 | IE11 | - |
Windows 8 | 備考参照 | 備考参照 | 2016年1月12日 (米国時間) までに Windows 8.1 へのアップデート必須 |
Windows 7 | 2020年1月14日 | IE11 | メインストリームサポートは 2015年1月13日で終了済み |
Windows Vista | 2017年4月11日 | IE9 | メインストリームサポートは 2012年4月10日で終了済み |
Windows Server 2012 | 2023年1月10日 | IE10 | メインストリームサポートの終了日は 2018年1月9日 |
Windows Server 2012 R2 | 2023年1月10日 | IE11 | メインストリームサポートの終了日は 2018年1月9日 |
Windows Server 2008 | 2020年1月14日 | IE9 | メインストリームサポートは 2015年1月13日で終了済み |
Windows Server 2008 R2 | 2020年1月14日 | IE11 | メインストリームサポートは 2015年1月13日で終了済み |
問題は Windows Vista
上の表を見るとわかるとおり、サーバ系 OS は通常、一般人や会社の一般的な従業員さんが使用することはないと思われるので除外するとしても、ネックは Windows Vista です。
Windows 7 以降の Windows は、すべて IE11 に問題なくバージョンアップできますが、Windows Vista だけ、IE9 がアップデートできる最新バージョンになってしまうため、この OS 自体のサポート期間が終了する、2017年4月11日までは、IE9 だけなぜか生き残るというよくわからない状況になります。
とは言っても、NetMarketShare で最新 (2015年 12月) の OS シェアを見る限り、Windows Vista のシェアは 1.62% ですので (ちなみにトップシェアは Windows 7 の 55.68%)、そんなに気にする必要はないとも言えますけども。
Windows 8.1 へのアップデートもお忘れなく
1月12日 (米国時間) までに、Windows 8 を使っているユーザーは Windows 8.1 へのアップデートが必要です。これを忘れるとサポートが受けられなくなりますのでお忘れなく。
とりあえず IE10 以前を動作環境から外す根拠はそろった
Web サイト制作界隈の皆様におかれましては、これで IE10 以前のバージョンを、動作環境対象外にするための根拠ははっきりしましたね (一応、前述の通り、一部 IE9、IE10 が使える環境はしばらく残るんですが)。
サポートが終了した IE を使い続けるということは、セキュリティ面から大きなリスクを負うことになりますので、「使うこと自体が間違い」 として、古い IE で動作させることはイレギュラーな状況であるという説明ができます。
繰り返しになりますが、Windows ユーザーにおかれましては、週明けまでに最新の IE へのバージョンアップをお忘れなく。
IE のバージョン情報確認方法
参考までに、IE のバージョン情報表示方法。
IE11 での例ですが、設定メニューから 「バージョン情報」 を選ぶだけ。
これで、バージョン情報が表示されます。Vista ユーザー以外なら、これが IE11 なら基本的には問題なしということになります。