Google は、同社が公開している透明性レポート (Transparency Report) に、新たに 「HTTPS の使用状況 (HTTPS Usage)」 セクションを追加したことを発表しています。
このセクションには、HTTPS 使用状況が時間の経過とともにどう変化しているかがわかるデータが、Web 全体、および国別にまとめられています。
データを見ると、現時点でパソコン向けページについて、ユーザーが表示するページの半分以上が HTTPS 経由になっていること、さらに HTTPS ページの閲覧時間は Web の利用時間の 2/3 を占めることがわかります。
また、モバイルデバイスが対象になると、HTTPS 経由で読み込まれるページの割合はパソコンに比べて劣るものの、同じく増加傾向であることなどが読み取れます。
国別の使用状況で日本の HTTPS 使用状況を見ると
レポート内の 「国別の使用状況」 をみると、下記に挙げた 10カ国における HTTPS の利用状況が確認できます。ちなみにこの 10カ国は 「Chrome のユーザー数がデータを集めるのに十分な数いることと、地理的に分散されていること」 を理由に選定されているとのこと。
- 日本
- アメリカ合衆国
- ドイツ
- フランス
- ロシア
- トルコ
- メキシコ
- ブラジル
- インドネシア
- インド
で、この中で明らかに日本だけ HTTPS の利用が普及していないことがわかります。例えば、「HTTPS 経由で読み込まれたページの割合」 のパソコン向けページに関するデータでは、2016年10月の時点で、10カ国中 9位のトルコが 47% なのに対して日本は 35% と、10% 近く差が付いての 10位ですし、「HTTPS サイトの閲覧時間の割合」 のデータでも、他国が 60% を超える中、日本ではまだ 50% にやっと届くかというところ。
普段閲覧している Web サイトの 50% (閲覧時間において)、つまり半分が HTTPS 経由なら結構普及してるんじゃないの? という見方もできるかもしれませんが、10カ国ピックアップして、他国がほとんど横並びの中、日本だけがちょっと特殊な感じのデータになっているのは面白いです。
まだ日本ではフォームやログイン画面など Web サイトの一部を HTTPS で接続するようにはしていても、Web サイト全体を HTTPS 経由で接続するようにはしていないところが多いです。例えば楽天市場のような超大手サイトでも、未だに HTTPS での接続はマイページやショッピングカートに遷移した先だけだったりしますし、結構遅れてる感は強いです。
とはいえデータ的には日本も HTTPS の利用率が増加傾向ではありますので、今後は徐々に増えていくことは予想されます。