Google が提出した 「米国特許出願 20050071741」 が一部で話題になっています。話題的には先週の話題で乗り遅れ気味ですが、一応メモしておくことにします。
「Information retrieval based on historical data」、つまり、「歴史的データに基づく情報検索」 と題されたこのドキュメントには、検索エンジン、特に SEO に関わっている人間にはなかなか興味深い内容を含んでいます。
すでに多くのサイトで重要な点は解説されていますので重複してしまうかもしれませんが、検索結果の順位を決定する要素に 「歴史」 的観点を加えるという点で、ドメイン取得からの経過時間によってランクの判断材料とする (具体的にはドメイン取得1年未満だと不利) とか、バックリンクに関しても、単純な被リンク数だけでなく、その増加の傾向や、リンクがはられた時間的な要素などを考慮に入れランク付けを行うなどといった内容が含まれています。
これらにはスパムサイトを検索結果から排除し検索精度を向上させるという目的も大きいと考えられます。つまりスパムサイトはドメインを短い周期で使い捨てる傾向があるとか、リンクの増加に関しても、リンクファームなどを利用して通常では考えられない増加率を見せる傾向があり、アルゴリズムに歴史的要素を加ええることでそれを判断しようということなのでしょう。
検索を利用する側からみれば、ニュースなどの鮮度が重要な情報は、新鮮なうちに上位に表示してもらいたいものですし、逆に古いドキュメントだとしても、今話題としてタイムリーなのであれば上位に出てきて欲しいものです。
例えば、ニュース記事などは公開されたと同時にリンクが大量にはられる可能性は高いですが、そんなに長くは続かないでしょうし、公開は古いものの、最近のトレンドと合致して再注目されたコンテンツであれば、しばらくリンクの増加はなかったけれど、最近になってリンクの増加が著しいなどといった特徴がでてくると考えられますので、その辺を順位決定の要素に入れることで、よりタイムリーで関連性の高い情報を届けることが可能になるのかもしれません。
また、広告からのトラフィックや CTR (click-through rate)、また、その時間的解析結果も考慮に入れるかも的なことも書かれていますが、この辺は AdWords などと関連するのか...... 気になります。
これは今に始まったことではありませんが、小手先のテクニックで SEO を語る時代は本当の意味で終焉を迎えようとしている言えるでしょう。今までは 「テクニック」 より 「コンテンツの質」 というのは十分わかっていても、小手先のテクニックが通用してしまう余地が多分にあって、特に SEO でお金をもらっている側などは、自分の中の理想と、顧客に対してある程度の結果を短期的に出さなければならないという義務との間でジレンマが多少なりともあったと思うのですが、そう考えるといい傾向なのか......
今後、SEO を考えるならば、ある程度の時間的猶予をもって、コンテンツの質の向上と情報発信のタイミングや頻度を総合的に考えつつ最適化を行っていくことが必要になりそうです。
とにかく、個人的には 「SEOありき」 の HTML コーディングやコンテンツ制作にはもともと懐疑的なので、こういった検索エンジンの取り組みには素直に共感できます。