数日前に TechCrunch がコメントシステムを Facebook コメントから、Livefyre に変更しましたっていう記事を上げてて、その理由が、荒らし対策に記名制の Facebook コメントを導入して、「荒らしを減らす」 って意味では効果は出たんだけど、同時にそれまで寄せられてた有益なコメント、コメント欄での活発な議論的なものまで減っちゃったから って書いてて、そういうこともあるのねと興味深かったので紹介してみます。
It was early 2011 and TechCrunch's comment section was overrun with trolls. Bullies and asshats were drowning out our smart commenters. We hated our commenters because, well, they hated us. So we rolled out Facebook Comments in an attempt to silence the trolls -- by removing their anonymity.
But we eventually discovered that our anti-troll tactic worked too well; The bullies and asshats left our comments sections, but so did everyone else. Now, several years later, after dozens of endless meetings and conference calls, we've decided we're going to try out Livefyre instead of Facebook Comments.
Frankly, our trial with Facebook Comments lasted way too long at too steep of a cost. Sure, Facebook Comments drove extra traffic to the site, but the vast majority of our readers clearly do not feel the system is worthy of their interaction.
And we want our commenters back.
簡単に意訳すると、
「コメント欄を占領する匿名での荒らしコメントに対処するため、2011年に Facebook コメントを導入したんだけど、色々議論した結果、Facebook コメントをやめて Livefyre を導入することにしたよ。確かに Facebook コメントはサイトへのアクセスを増やしてくれたけど、我々の読者のほとんどが、このシステムとやり取りするに値するとは明らかに感じてなかったし、我々はコメンター達を取り戻したいんだ。」
ということで、匿名でひどいコメントしていく人 (所謂、粘着ってやつですね) が多くて、まともなコメントが埋もれちゃうから、それを減らそうと、ある程度コメント投稿者の身元がハッキリしやすい Facebook コメントに切り替えたら、確かに匿名での荒らしは減ったんだけど、他の大多数の読者さんまでも気軽にコメントしにくくなっちゃって、結果としてコメント欄全体がつまらなくなっちゃったと。
今回、TechCrunch が導入した Livefyre は Livefyre アカウントはもちろん、Facebook、Twitter、Google、OpenID などのアカウントでログインしても投稿できますし、見たところ TechCrunch は設定していないようですけど、オプション設定をしてあげればゲストユーザー (名前とメールアドレスを入れれば投稿できる) での投稿も可能になるシステムですから、Facebook コメントに比べてコメントする際の敷居はかなり低くなると思います。
Some sites have killed comments altogether, turning instead to Twitter and aggregators for user interaction. But we want your feedback. We want to know what you think about an article. Call out our typos, join the discussion, give us counterpoints -- just don't be a dick. Remember, Elin is always lurking in the comments with her banhammer ready.
「コメント欄を封鎖してユーザーとのやりとりは Twitter などに移行しちゃうサイトも多いけど、我々はフィードバックが欲しいし、読者が記事についてどう考えてるのか知りたいんだ。間違いを指摘し、議論に加わって欲しい。- ただし、Elin が banhammer を持ってコメント欄で待機してることを忘れるなよ (いつでもブロックするぞ)。」
ということで、これで活発なコメント欄が戻ってくるんでしょうかね。実際、該当記事にはさっき見た時点で 1,000件近いコメントが付いてましたし、この記事以前の記事は Facebook コメントのままになっていますが、そちらと、この記事以降の記事へのコメント数をさらっと見た限りはやはりコメント数が大幅に増えてるみたい。
Facebook コメントに関しては記名制がどうこうより Facebook ユーザーしかコメントできないっていうのが最大のデメリットだと思いますが、とにかく気軽にコメント欄での議論に参加して欲しいというスタンスのサイトではもっとコメント投稿者に選択肢があった方がいいのは確かですね。そういう意味で Livefyre はいい選択なんだと思います。
ちなみに、TechCrunch Japan でも度々 Facebook コメントに関しての記事が紹介されています。
- Facebookコメント・システムに賛否両論
- Facebook、新コメント・プラグインを発表―Google、Twitterは協力を拒否〔実例は元記事参照〕
- Facebookの新コメント・システムからTwitterとGoogleが逃げたわけ
- Facebookのコメントプラグインは荒らしを見事に一掃―これを継続すべきか?
- Facebookコメントシステムは、Facebookの欠陥の集大成
- Facebookのコメントボックスは40万サイトが利用中、モバイルにも対応
で、実は当 Blog も少し前からコメント欄を Livefyre に変えてみてるんですよ。元々そんなにコメントが付くような Blog を書いていないので、個人的にはコメント欄とか実はあまり重要視してないんですけど、Facebook コメントより高機能でデザインもいい感じだし、サイト運営者の立場から見てもコメント欄の管理が楽だったりするので。
もちろん、日本語でのコメントも問題なく投稿できますよ。
しかし、Facebook コメントにしても Livefyre にしても、それから Disqus もそうなんですが、サードパーティ Cookie を無効にしてるとコメントできないのはなんとかならないの? とは思いますが、まぁ仕方ないんですかね……
ちなみに Livefyre の導入はとっても簡単だったので、後で導入方法に関する記事でも書こうと思います。
2013年1月29日 追記
予告通り、解説記事を書きました。