現時点では米国の住所、クレジットカードを対象にしたサービスで、日本の Amazon にアカウントを持っている人が使える状態ではありませんが、Amazon は 「Login and Pay with Amazon」 という新しい決済サービスを提供開始しました。
これは、PayPal 決済のように、Amazon 以外のショッピングサイトに Amazon アカウントへのログインと、Amazon に登録してある住所情報や決済情報を使用した支払い機能を導入できるもので、これに対応したショッピングサイトでは、ユーザーは個別にアカウントを作ったり、住所情報やクレジットカード情報を預ける必要なく、Amazon アカウントにログインして支払いを済ませることができます。
ショッピングサイト側としても、面倒な決済部分を Amazon に任せてしまうことで、少ない労力でセキュアな決済機能を導入することが可能になります。
ちょっと前から、Amazon では 「Login with Amazon」 という OAuth ベースのログイン機能を提供開始していましたが、これに決済機能まで加えたのが、今回の 「Login and Pay with Amazon」 と言えます。
詳しい説明動画も上がっていました。英語ですが。
ドキュメント類も公開済み
開発者向けのドキュメント類もすでに公開されています。
例えば、ボタンギャラリーには下記のようなボタン画像も並んでいます。今後海外のショッピングサイトではこのボタンを目にする機会が増えるかも。
実際に 「Login and Pay with Amazon」 を利用して購入する際の流れ
実際に購入者がどういう流れでこの 「Login and Pay with Amazon」 による決済を行うのかについては下記のページに説明されています。
ショッピングカートなどに、決済方法として Amazon を使用するためのボタンを表示 (画像は Overview of the buyer experience から引用)。
購入者がそのボタンを押すと、Amazon へのログインフォームを表示。
そのショッピングサイトで Amazon 決済をはじめて使用する際には、連絡先と配送先情報を渡すけどいい? っていう確認が出るみたい。
配送先や支払い方法は、Amazon に保存してあるものから選択。
あとは注文を完了するだけ。
初期費用や固定費は不要、決済時の手数料のみ
費用は下記にまとまっていますが、10ドル以上の取引 1件につき決済金額の 2.9% に加えて、0.30 ドルという価格設定。9.99 ドル以下の少額決済の場合は、5% に加えて 0.05 ドルがかかります。
つまり、計算しやすいように 1 ドル = 100 円で考えると、1,000 円の商品を売ったとして、29 円 + 30 円で、計 59 円の手数料がかかるってことになりますね。良心的な価格設定だと思います。
あと、毎月の決済金額の総額に応じて、ボリュームディスカウントもあるみたい。
日本でも使えるようになると面白そうですね。PayPal はもちろんですが、最近では Square みたいな新しい決済サービスも増えてきていますし、手数料や導入障壁もどんどん下がってきていますので、不特定多数の人に対して 「物やサービスを売る」 っていう行為がもっと手軽にできるようになりそうです。