PC など、所謂親機となるようなデバイスとの接続が不要、スタンドアロンで動作する VR ヘッドセット 「Oculus Go」 が日本時間でゴールデンウィーク中の 5月 2日に発売されました。
しかも価格が日本円で 23,800円(32GB / 消費税、および日本への送料込) からとリーズナブルなこともあって発売当初から注目を集めています。
で、私も発売初日に思わずポチってしまったわけですが、週明けに手元に届きましたので、早速、短時間ではありますが試してみました。
VR に関していえば、「PlayStation VR」 をすでに所有していて、それなりに楽しんではいるのですが、個人的にはあまりゲームに使う時間って普段からなくて、シネマティックモードで動画再生する用途の方が多かったんですよね。VR がどうこういうより、ヘッドマウントディスプレイを使用して大画面で映画などを観たいっていう方が強かったわけです。
とはいえ、PlayStation VR はリビングのテレビに接続してあって、ちょっと動画観たいためだけにわざわざリビングに移動するのダルかったり、家人がリビングでテレビ観てたりすると、それをどいてもらうってものね...... まぁ簡単にいえば気軽さがないわけです (プレステを自分の部屋に設置しろって言われそうですけども)。
今回発売された Oculus Go は、セットアップやアプリのインストールにスマートフォンは使用するものの、基本的にはこいつ単体で動作して、動画の再生なども行えますから、観たいと思ったときに、ささっと装着して気軽に (疑似) 大画面での動画視聴が可能という点に惹かれたわけです。で、結論からいうと買って大正解ですよ。
Oculus Go のセットアップ
早速パッケージを開封して初期セットアップを進めます。私が購入したのは 64GB 版 (29,800円)。連休中の購入でしたが、日本時間で 2日午前中に注文して、7日の夕方に家に帰ったら宅配ボックスに届いていたので、概ね 5日程度で届くようです。ちなみに発送は香港からでした。
ちなみにストレージの目安ですが、公式サイト情報だと下記のようになってました。
- 64GB: HD 映画 7本、ゲーム 20本、アプリ 40本
- 32GB: HD 映画 3本、ゲーム 10本、アプリ 20本
ゲームはそれ程やらないし、動画再生も Netflix のようなストリーミング再生だけだなという感じであれば、32GB 版でも十分かもしれません。差額は 6,000円なので、お財布に余裕があるなら 64GB を購入しておいた方が後悔がない気もしますけども。
さて、Oculus Go のセットアップ自体は簡単で、自宅に Wi-Fi ネットワークが構築されていて、それに接続されたスマートフォンがあれば、ものの 5分程度 (途中で注意事項の動画を強制的に見せさせられるのですが、それを含めても) で終わります。
まずは Oculus アプリをスマートフォンにインストールしましょう。Android 用、iOS 用がそれぞれ用意されていますので、使用中のスマートフォンに合わせて選択します。私の場合は iPhone を使用しているので、iOS 用をインストール。
スマートフォンへのアプリインストールが完了したら、セットアップです。この時、Oculus Go を充電状態にしておいた方がいいでしょう。
Oculus Go に充電器 (AC アダプター) は付属しません (ケーブルは付属しています)。AC アダプターは米国向けパッケージにのみ同梱されているようで、日本からの購入ではケーブルのみの付属なりますから、手持ちの USB ACアダプターを流用する必要があります。
出力的に 5V/2A の USB AC アダプターを使えという指定がありますので、手持ちの AC アダプターで規格的に合致するものがあればそれを使用しましょう。
インストールした Oculus アプリを立ち上げると、セットアップウィザードがスタートします。
まず最初にログインが必要になりますが、Facebook アカウントでのログインもできますので楽したければそれで。私は Oculus のアカウントを新規作成してセットアップに進みました。
セットアップ自体は画面の指示に従っていけば大丈夫。途中で Wi-Fi 接続用のパスワードを聞かれたりするので手元に用意しておきましょう。
セットアップが完了すると、Oculus Go のファームウェアがアップデートされたりしている間にストアから必要なアプリケーションを探しておきます。
今回は Netflix を視聴したいので、探し出してインストールをしておきましょう (インストールといってもセットアップ用のスマートフォンに何かがインストールされるわけではありません。Oculus アプリのストア上では Oculus Go にインストールしたいアプリを購入しておくだけです)。
Oculus Go の準備ができたら、装着してみましょう。親切にチュートリアルが表示され、ひととおりの操作方法を教えてくれます。
チュートリアルが終了すると、ダッシュボードに先ほどインストールを指定した Netflix アプリが表示されると思いますので、それを選択すると、Oculus Go にインストールが行われて使用可能になります。Oculus Go 上で Netflix にログインすれば、テレビなどで観ているのと同じようにコンテンツを選択して視聴可能になりますよ。
Oculus Go に眼鏡スペーサーを装着
私、普段の生活ではメガネかけていないんですが、パソコンの画面を見たりする際はちょっとぼやけるのでメガネかけてるんですよね。
で、一度裸眼で Netflix を視聴してみたら、ちょっとぼやけた感じで見えるので、メガネ着用で再度試してみたところ、いい感じでした。そこで Oculus Go 使用時はメガネを着用する前提で、付属の 「眼鏡スペーサー」 を装着してみます。
メガネの種類によってはもしかするとスペーサーなしでも問題ないかもしれませんが、私が使っているものだとレンズにメガネが当たってしまったので、スペーサーを入れてレンズとの距離を調整します。
眼鏡スペーサーの装着方法ですが、まず作業がしやすいように固定用ベルトを外しておきましょう。
次に下記の手順でフェイスクッションを本体から外します (下の写真参照)
- レンズ周りについているプラスチックのパーツを外す
- フェイスクッションを取り外す
そうすると、眼鏡スペーサー装着用のガイド穴がありますので、それに合わせて眼鏡スペーサーを装着し、先ほどとは逆の順番、クッション→レンズ周りパーツという順に元に戻せば装着完了です。
下記が眼鏡スペーサーを装着後ですが、微妙になんですがクッションが前に出て、顔とレンズの間にスペースが確保されます。これでメガネがレンズに当たってしまうことがなくなると思います。
Oculus Go は動画をゆったり観るのに最適
他のヘッドマウントディスプレイを試したことがないので、画質やら音質に関するレビューはできませんけども、個人的には Netflix を観るには十分なクオリティかなと思います。
また、セットアップの簡単さや、チュートリアルの丁寧さ、付属のコントローラーの操作性など、全体的にとてもよく設計されていて、ストレスなく使用することができます。完成度はかなり高いんじゃないでしょうか。
Netflix アプリなら寝ながら視聴も簡単
ちなみに、通常は椅子などに座った状態で観ると思いますので、例えば背もたれをリクライニングさせたり、あるいは寝転がった状態で視聴しようと上を向いてしまうと、VR 上でも天井をみている状態になってしまうわけですが、Netflix に限っていえば超簡単にスクリーンの位置を変更可能です。
スクリーンの左上辺りに 「Void Theater」 ってアイコン? 的なものが浮かんでるんですけども、それをポインターで選択 (ポインターを当てて選択トリガーを引く) すると、VR モードが解除され、スクリーン上にアイコンが並びます。
一番右に 「スクリーンを移動」 というメニューがありますので、それを選択すると、頭の角度に応じて正面にスクリーンが移動してきますので、いい位置で確定すると、そこが正面になるわけです。
動画再生中に動かすのはちょっと面倒ですが、先にやっておけば寝転んだ状態でも、椅子をリクライニングさせてくつろいだ状態でも快適に動画が視聴できますよ。これとても便利。
人をダメにすることでおなじみの例のソファー(謎) などと組み合わせますと非常によいのではないかと思ったりしました。
使用感
Oculus Go が届いた初日に、Netflix で 30分もののアニメを 2話ほど観ただけですので、それほど長時間使っていたわけではないのですが、少なくとも 1時間~2時間程度の動画を観るくらいの使用時間では、ヘッドセットが重たくて疲れるとか、蒸れるといった不快な感じはしませんでした。
しっかり機密性というか、気になる光が入ってきたりするような隙間はないように装着できるものの、鼻の部分から手元を覗ける程度の隙間はあるので、例えば手から離したコントローラーを探す (実はコントローラーは VR 上に表示されるので、なんとなくの場所はわかります) とか、お茶とか水を飲みたいなって場合でも動画の視聴をほぼ妨げられずに行えるのは良い感じ。
音に関しては標準のスピーカーが左右の装着ベルト部分に組み込まれているので、イヤホンなどは不要です。より臨場感のある音で楽しみたい場合は、3.5mm のイヤホンジャックが装備されていますので、好みのヘッドフォンなどを接続すればよいと思います。
充電に関しては、3時間の充電でフル充電。それで動画再生が約 2時間、ゲームで最大 2.5時間程度のプレーが可能とのことなので、長い映画を観る場合などはちょっと注意が必要ですが、概ね問題のないスペックなのかなと。
ちなみに、1時間ちょっと Oculus Go を装着したままにした結果ですが、顔面にクッションの跡が残りましたので、直後に出かけるとか、人と会う予定がある場合は注意した方がいいかもですよ。
あとは個人的に、DAZN に対応してくれたらよく利用するのでありがたいなとか思いました。
追記: 標準ブラウザで DAZN 視聴がいい感じだった件
上で、DAZN が観られたらいいなって書いたんですけども、Oculus Go にはブラウザが搭載されているので、それで DAZN にアクセスして視聴可能でした。フルスクリーンにするとかなりいい感じで試合観戦ができます。
1点、注意が必要なのが、ブラウザで DAZN にアクセスして、そのままログインして視聴に進もうとすると、アプリのインストールに誘導されてしまうこと。
これは Oculus Go をモバイルデバイス (Android) と判断して DAZN 側がそのように動作してしまうためですが、ブラウザのアドレスバー右横に、「デスクトップをリクエストする」 というボタン (下記スクリーンショット参照) があるので、これを有効にして視聴に進むと、通常のデスクトップ PC でアクセスしているのと同様の動作になります。
YouTube とかも同様にして視聴できますので、動画再生捗りそうです。