昨日、4月30日は、WWW （World Wide Web） にとって特別な日でした。それは、欧州原子核研究機構 （CERN） が World Wide Web を無料で誰にでも利用できるように開放することを発表した、1993年 4月 30日から、ちょうど 20周年の記念日。
CERN では、この記念日に、特設サイトを開設し、さらに、Restoring the first website プロジェクトの一環として、世界で最初に公開された Web サイトを当時と同じ URL に復元して公開しました。
特設サイトの方では WWW の歴史的なお話が書かれていたりしますが、一部を抜粋してみると、
In March 1989, British physicist Tim Berners-Lee wrote a proposal to develop a distributed information system for CERN physicists and engineers. It described a way of managing information about the accelerators and experiments at the laboratory using a system of documents linked together and accessible via the internet. His supervisor, Mike Sendall, wrote "vague, but exciting" on the cover of the proposal, and, with those words, gave the green light to an information revolution.
1989年 3月に、英国の物理学者、Tim Berners-Lee は、CERN の物理学者とエンジニアのために分散情報システムを開発するという提案書 （「Information Management: A Proposal」） を書きました。それは、研究所内の情報を相互にリンクさせ、インターネットを介してアクセス可能にし、管理する方法を説明したものでした。彼の上司である Mike Sendall はこの提案書に書き込んだ 「vague, but exciting （漠然としているがエキサイティング」 という言葉で、この情報革命に許可を与えました。
これが、1990年の 「WorldWideWeb: Proposal for a HyperText Project」 の発表、そして同年末、世界初の Web サーバ 「httpd」 と世界初の Web ブラウザ兼 HTML エディタ 「WorldWideWeb （Nexus）」 の稼働から、1991年 8月 6日の WWW の公開 （今回復元された世界最初の Web サイトは、この時公開されたものです） へとつながっていくわけです。
ちなみに、日本で最初の Web サイトが開設されたのは、1992年 9月 30日。高エネルギー物理学研究所計算科学センター （当時） の森田洋平氏によるものだそうですよ。
今回復元公開された世界最初の Web サイトは、 </a> タグが最後余計に入ってたりとかお茶目なミスもありますが、このサイト、今の最新のブラウザで見ても、もちろん、iPhone などのスマートフォンで見ても、問題なく表示されてるんですよね。20年以上前の Web サイトですが。
もちろん、スタイルシートとかがない時代のもので、マークアップもシンプルですから当たり前だろと思うかもしれませんが、ブラウザやデバイスの進化や栄枯盛衰に関係なく、時間が経っても確実に情報にアクセスできることって大事ですよ。
ということで、偉大な先人の方々に感謝しつつ、今後の Web の発展を願って終わりたいと思います （なんかの挨拶みたいになっていますが......）。
ちなみに、World Wide Web の誕生 20周年は、2009年 3月 （「Information Management: A Proposal」 が提出された日を起算日として） でした。
