2016年1月12日 (米国時間) から適用された新しい、Internet Explorer (以下、IE) のサポートポリシーに伴い、「サポート期間中の各 Windows OS にインストール可能な IE のうち、最新版以外のバージョンの IE」 のみがサポート対象になっています。
これを現時点でサポート期間中の Windows に照らし合わせると、Windows 7 以降の Windows は、すべて IE11 のみがサポートされるブラウザになるのですが、唯一、2017年 4月 11日まで延長サポート期間が残っている Windows Vista だけ、IE9 がインストール可能な最新バージョンの IE になってしまう関係から、Windows Vista のサポート終了までは、IE9 がサポート対象ブラウザとして残るというよくわからない状況になっていました。
ところがこの Windows Vista の延長サポート期間も、ついにあと数日というところまで迫ってきました。これによって、やっと IE10 以下については動作対象から外すことができる環境が整うことになります。
IE のサポートポリシー変更やそれに関連する話題については、過去に下記の記事などで書いていますので参考まで。
- 参考 サポートポリシー変更により、古い Internet Explorer (IE) のサポートが終了する件
- 参考 Windows 7 のメインストリームサポートが終了、延長サポート期間へ
- 参考 Microsoft が IE のサポート ライフサイクル変更を発表、IE8 は 2016年1月にサポート終了
下記に、現時点でサポート期間の各 Windows OS について、サポート期間をまとめておきます。Windows Vista はすでにメインストリームサポートが終了していますが、延長サポート期間についても 4月 11日で終了します。
参考までに Windows 7 についてもメインストリームサポートはすでに終了しており、現在は延長サポート期間 (新機能の追加が行われなくなり、セキュリティ更新プログラムの提供のみとなるフェーズ) に入っています。
基本的に延長サポート期間というのは、この間に新しいバージョンの Windows に移行してくださいねという猶予期間ですので、現時点で Windows 7 を利用している方も、延長サポート期間が終了するまでに、確実に新しいバージョンの Windows へ移行する準備を進めておきましましょう。
製品名 | ライフサイクル開始日 | メインストリームサポート終了日 | 延長サポート終了日 | サービス パックサポート終了日 |
---|---|---|---|---|
Windows Vista | 2007年1月25日 | 2012年4月10日 | 2017年4月11日 | 2010年4月13日 |
Windows 7 | 2009年10月22日 | 2015年1月13日 | 2020年1月14日 | 2013年4月9日 |
Windows 8/8.1 | 2012年10月30日 | 2018年1月9日 | 2023年1月10日 | 2023年1月12日 |
Windows 10 | 2015年7月29日 | 2020年10月13日 | 2025年10月14日 | - |
※ Server (サーバ用 OS)、Embedded (組込み OS) は、普通の人には関係ないのであえて無視してます。
サポートが終了した OS やブラウザを利用しないこと
サポートが終了した Windows や IE を使い続けるということは、セキュリティ面から大きなリスクを負うことになりますので、「使うこと自体が間違い」 です。
コンピュータウィルスやマルウェアへの感染は、自分のパソコンのデータが危険にさらされるだけでなく、感染拡大の片棒を担いだり、パソコンが、他者への攻撃の踏み台にされる可能性など、他の人にも多大な迷惑をかけることになりますのであまり安易に考えない方がよいでしょう。
4月 11日以降、Windows Vista を使わないことが賢明です。
Windows 10 においては Edge を使いましょう
Windows 8.1 については Microsoft Edge が対応していないため、IE11 を利用するケースがあると思いますが、Windows 10 については基本的に Edge が既定の Web ブラウザになります。
Windows 10 における IE の扱いは、ActiveX コントロールや、VBScript に対応していない Edge では互換性の問題が発生する場合に限り、エンタープライズモードで利用する補助的な存在になります。
「Enterprise Mode Site List Manager」 を使用して、互換性の問題が発生する Web サイトや Web アプリケーションを、「エンタープライズ モード サイト一覧」 に登録しておくことで、普段は Edge を利用しながら、特定サイトのみ IE11 を自動的に起動して閲覧することができます。
「エンタープライズ モード サイト一覧」への Web サイト登録方法については下記にまとまっていますので、企業ユーザーなどで必要な場合は設定しておくとよいでしょう。
Windows 10 Creators Update の提供も同日開始
Windows Vista の延長サポートが終了する 4月 11日は、同時に Windows 10 の最新アップデートである 「Creators Update」 が提供開始される日でもあります。
Creators Update は、Windows 10 ユーザー向けに無償で提供される大型アップデートで、Microsoft Edge、セキュリティ機能、プライバシー保護機能など、既存機能やツールの強化が行われるほか、新アプリ 「Paint 3D」 の追加など、新機能の追加も行われます。
- Windows 10 Creators Update を4月11日より順次提供開始、Surface の販売市場を拡大 : Windows Blog for Japan
- The Creators Update - 2017 年に追加される新しい Windows 機能